お盆の時期に飾ったり、お供えしたりする品は様々ございます。
その中でお仏壇の周辺に飾る「盆提灯」はお盆の風物詩のひとつでもあります。
ご存じの方は多いと思いますが、この「盆提灯」のお話をさせていただきましょう。
今のお盆提灯には、新盆にご家族が用意する、一回限り使う白張りの「新盆提灯」と、毎年お盆の時期に、親戚や兄弟、知人から贈られる「盆提灯」があります。
贈り物としての「盆提灯」は、相手の家紋を入れて左右一対でお供えとして贈るのが正式ではありますが、ひとつだけをお贈りしても問題はありません。
贈り先の住宅事情やご予算、ご親戚間の事情によりご判断されるのがよろしいと存じます。
話は少々それますが、
お盆の盆花の中に「酸漿(ほおずき)」があります。場所によっては「鬼灯」と書くところもあります。
これは一説によれば、「鬼灯」は仏壇を飾る赤い提灯として供えられるともいわれます。そう思って見て見れば、たしかに精霊の目印にする提灯の姿に思えます。
「お盆提灯」や「鬼灯」を飾るのは、お盆に里帰りされる精霊が迷わず戻ってこられるように、そして、無事にあの世へお帰りになれるようにと気配りをする心が込められているのです。
そんな先人たちの優しく美しい心配りを、私たちも引き継いでいきたいものだと思います。